2021年1月30日マチネ&ソワレ 劇団四季『マンマ・ミーア!』@京都




マンマ・ミーア!
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キャストの感想

今回は岡村美南さんの感想をガッツリ書いていきます。

ドナ・シェリダン:岡村美南

上にも書きましたが、なんとなーく本調子とまではいかなかったかなぁ。多分誤差の範囲内でしょうし、The Winnerだって高音部分は歌い上げること全然できてたし、お疲れというわけでもないんだけど、ちょっとだけ音程が上がりきらないところがマチネもソワレも見受けられました。1幕DQの「オーイェーイ」みたいなところ?がちょっとね、上がりきってなかったのが珍しいなぁと思った次第です。ソワレは若干The Winnerも安定しなかったし、少し心配になりました。ゆっくり休めばきっとすぐ元に戻るくらいの不調だと思いますし、あくまで最高のコンディション時と比較したときの違和感なので、普通に観ていれば全然気にならないレベルだと思います。

まあ3週間のお休みはあったもののその間も稽古されていたでしょうし、こんな世の中なのでお休みのときですら気は休まらないでしょうし、何よりドナはとにかく体力使うでしょうし、ちょっとでもリラックスできる時間があるといいなぁ。

でも気になったのはそこだけで、全体的にはやっぱり安定感が出てきたしお芝居に深みも増したしとても頼もしかったです。地盤を固められたからこそ細部にもこだわり始めることができて、ちょっとした仕草に遊びを加えてみたりもして、どんどん魅力的になってきています。とにかくね、子供っぽさがまだまだ抜けない感じがこれまでの歴代ドナとは違う雰囲気で凄くオリジナリティがあって素敵です!

個人的に凄く良くなってきているなと感じるのはやっぱり1幕のドナ部屋でのターニャ、ロージーを交えたシーンです。ひたすら怒りや悲しみや後悔といった負の感情を爆発させるシーンですが、今回も改めてここのお芝居がナチュラルになったなぁと感じました。「チキチータ」で思い立ったようにバーのほうを覗きに行く瞬間も挙動不審さや戸惑いを感じられて凄くリアルになっていましたし、「自業自得だけど」の言い方も泣きべそかくような声色で可愛いし、40歳とは思えないくらい子供っぽさ全開で怒りや不満を爆発させていたのが良かったです。

怒り方がママっぽくないって言ったら変なんだけど、もうしっかり20年間お母さんやってますよ~っていう人の怒り方とは違って、まだまだ若さのある人の怒り方っていうのが実は好きだったりします。母としての貫禄がまだついていない感じが、未婚の母であるドナらしくて好きでした。ドナも模索しながらお母さんをやっていたでしょうし、周りにお手本にできる人って多分いなかったと思うんです。どういう風に育児やっていったらいいよって助言してくれる人も少なかっただろうし。だから、自分流の育児をしてきた人っていう意味ではまだまだ幼さとか未熟さってあっていい気がしています。それを踏まえると、岡村美南さんドナの在り方って凄くアリだなと感じました。

だからスパトゥルでソフィに笑顔向けられて緊張が解けていったり、口を滑らせてソフィとぶつかってしまったり…娘に助けられてばかりで時には娘を怒らせるようなことをしてしまって、岡村美南さんが表現するどうしようもなく子離れができないママっていうのが本当にストーリー性があって好きです。こういうドナの演じ方をすることで、Slippingで「色んな約束をしたのに守れなかった私」と歌い出すところから一気に涙が込み上げてきて後ろめたさを感じるお芝居がよりグッと活きてくるんだと思います。ちゃんとそういうドナの至らなさが前半部分でしっかり描かれているし岡村さんなりに演じられているからこそ、このナンバーの意味合いがより強くなることを実感しました。

その場その場を切り取ったお芝居じゃなくて、一貫したストーリーがあるお芝居をされているのが岡村美南さんドナの魅力です。合間合間でめっちゃ可愛い仕草とか表情とかもするしイケメンらしさを発揮することもあるけど、やっぱりソフィがいることで岡村さんドナのお芝居はより魅力が増すんだなと感じました。

ちなみに、今回はC席から観たのもあってベッドに倒れ込んでいるときの岡村美南さんドナの仕草や表情もしっかり堪能できました。DQではベッドに倒れ込んでターニャのほうをチラ見してからプイッと顔を背けたときに、左右に伸ばしていた腕をお腹に乗せてました(笑)正面から観ててもベッド小さいなとは思いましたけど、上から観てるとベッド小さすぎて岡村さんの脚が曲げても収まりきってないのガッツリ分かっちゃって面白かったです。

それから寝返りを打って枕下にあるマイク代わりの日焼け止めを取ろうと枕元に手を伸ばすのも上からガッツリと観ることができました。ガサゴソやってるなぁ…とは思いましたけど、思った以上に不器用で可愛かったです。ふてくされてるのに一生懸命日焼け止め取ろうとしてるのが可愛すぎました(笑)ちなみにソワレは結構もたついてて、なかなか日焼け止めに手が届いてなかったのが面白かったです。本当に小道具関係になると岡村さんの不器用さが発揮されて愛しさすら覚えます。

あとC席関連で言うと、マネマネでテーブルの上にのぼるときに囲碁の台?みたいのを踏むようにして立っていたの初めて気づきました。造りがいまいち分からないのですが、あの台って結構凸凹してるのかしら。足の置き場を慎重に探さないと危なさそうな感じもしたんですけど、だから毎回テーブルにのぼるとき岡村さんあんな慎重に足置いてたんだなぁ…と合点がいきました。やっぱり色んな角度から物事を観るってとても大事だなと再認識させられた観劇になりました。思い切って遠目から観劇してみて良かったです。

そしてソワレのヴレヴ。6枠嶺山さんとのペアダンスでキスをされる(未遂なのかな?)岡村さんドナですが、嶺山さんの右腕が岡村さんドナの背中に回ったんですよね。で、嶺山さんの腕の外側?に岡村さんの左腕がある状態なんですけど、次の瞬間に岡村さんが嶺山さんの腕をくぐり抜けるようにして左腕を内側に持って来て嶺山さんの頬に手を当てていたのが強引すぎて笑いました。これ、言葉で説明して伝わりますかね…?

雑ですけど図解にするとこんな感じです。そのまま嶺山さんの腕をくぐらんでも驚いたように手を上げれば良かったのにと思いました(笑)そういうところも不器用というか強引すぎて可愛いなって思った瞬間でした。

スカイとのペアダンスではマチネもソワレもアニマルシリーズかな?にゃんにゃんポーズしてたりしてたので、猫とかうさぎとか色々やっていました。むしろここの岡村さんドナを正面から観たいくらいですが、そうなると上手サイドの端っことかで観ないとダメかもしれませんね。これはまたそのうち実現できれば…。

あと、ちょっと飛んで2幕のOur Last Summer前のハリーとのやりとり。「ありがとうって言ったはずよ。育ちのいいお嬢様らしく」の仕草がマチネは小切手を右にポイってやるやつでしたが、ソワレはお嬢様みたいなお辞儀をしていました。久しぶりです、このエセお嬢様の仕草(笑)とても似合ってないのが可愛いので、ずっとこの仕草でいいのなぁ…と思ったりもしたんですけど、最近はなかなかやらなくなっちゃったので観られたらラッキーかもしれません。

今回はこんな感じかなぁ…。相変わらずSlippingも良い表情していましたし、The Winnerも想いがヒシヒシ伝わってきましたし、総合的に良くなっているのは今回も実感できました。これだけブラッシュアップされていけば、もっと岡村さんのドナを好きになってくれる人も増えるだろうし、もっともっと魅力が増していくと思います。私も今回40回目の観劇を迎えて、日々岡村さんがドナを自然に演じていくようになっているのを肌で実感しています。50回目を迎える頃にはもっと良くなっているだろうし、いつか100回目を迎える頃にはもう過去史上最高のドナになっているかもしれませんね。だからこそ、これからの岡村さんドナが楽しみです。

ソワレはカテコでまた気付いてくれたのか、ガッツリと見て手を振ってくださいました。このご時世だからなのか、1人1人お客さんを大事にしていらっしゃるのが伝わってきます。前は全然見てくれなかったし気付いても目を逸らされたりもしてたんですけどね…(笑)塩対応に慣れすぎてしまったので、ここ最近の神対応にちょっと戸惑いもありますが…でもこうやって視線で対話できる感じは凄くいいなと思いました。

そんなわけで引き続き岡村さんドナのことはしっかりと見届けていきたいと思います。とりあえず体のコンディションをしっかり整えられるよう、ゆっくり休めるといいな。また次回もどんなドナのお芝居が観られるのか、楽しみです!

観劇の感想・考察

気になったポイントについて書いていきます。

可愛いみなまり母娘の絡み

爆弾投下ってほどでもないんですけど、みなまり母娘はしっとりとした尊さを感じられるのでじわじわと来てしまいます。今回もマチソワともに可愛らしい絡みを見ることができました。

スパトゥル。マチネは美南ママの元にやってきたまりえちゃんソフィが「わっ!」って驚かすやつをやっていました。美南ママも呆れながら座りなさいみたいにあしらっていて、結構強めに左手を振り下ろすようにして「座って!」の仕草をしてました。犬と飼い主か(笑)

ソワレは甘えるようにゆっくり美南ママに抱きつくまりえちゃんソフィ。両腕でしっかり美南ママの上半身をホールドしてコテンと胸元に顔を預けていました。普段しっかり者なのにちょっと甘えたな一面が垣間見えるとキュンとしちゃいますね。それでも美南ママは相変わらず余裕ないのですぐに引き離しちゃいますが、「あなたはどこなのか」でソフィを指差ししてくるのでいつも通り不意打ちイケメンを発揮してました。いつになっても受け身で余裕ない美南ママ可愛い。

で、あとはダズユアカテコ。ソワレは見つめ合いながらゆらゆらしてましたが、マチネは隣り合わせで並んだときにお互いの腰に腕を回しながらゆらゆらしてて、リズムに合わせてお互いことを指差ししていました。それで指差すときにいちいち表情を作るのがとっても可愛すぎて癒されました…。仲の良さが垣間見える…。

すっげえ雑に落書きレポです。みなまりちゃんこんな感じでじわじわと来るしっとり系の絡みが多いので瞬発的な尊さとは違うのですが、とても仲良さげで観ていてとてもニコニコしちゃいます。引き続き今後も仲良い絡みが観られることを期待したいです。

まとめ

ということであっという間のマチソワでした。楽しいことってなんでこんなにあっという間に終わってしまうのかしら…と時間の不平等さに憤りを感じますけど、有限だからこそ価値があるのかもしれませんね。

今回で40回目の岡村美南さんドナ観劇を終えて、これだけ観ても飽きないって本当に凄いことだと感じましたし、多分これからも飽きないんだろうなって思いました。それはどうしてかと言うと、0番に立つ岡村美南さんが凄くキラキラしているからなんです。

ライブもカテコもそうですけど、こんな時期なのに観に来てくれたお客さんに対して彼女なりに凄く感謝の気持ちを伝えているんだろうなって思いました。ライブではお客さんとアイコンタクトを取りながら歌っていたり、手拍子を誘発したり。カテコでは最後まで残って幕が閉じる瞬間まで手を振り続けていたり。お客さんを楽しませたいっていう気持ちと、『マンマ・ミーア!』という作品の座長としての自負があって、こうやって彼女なりに頑張ってくれているんだと思います。

そういう姿がファンとしても驚きだし嬉しいし感動したし…なんかずっと観続けたいと思うし、応援したいと思うし、また劇場に足を運びたいと思う原動力になるんです。岡村美南さんが凄くお客さんを大切にしてくれているのが伝わってきて、そんな彼女の想いに応えたいっていうとアレですけど、やっぱり心から応援したいなって思わされました。もちろん、本編でのお芝居も日に日に良くなっているからこそ、ですけどね。

何だかんだで岡村美南さんのファンを続けて7年以上が経ちますが、ここまで成長した彼女を観られるって本当に感慨深いです。だからこそ、これからも彼女を精一杯応援していきたいです。ドナ・シェリダンというマンマカンパニーの中心を務める岡村美南さんの勇姿を、これからも何回、何十回、何百回と見届けていきたいです。

さて、次回は31日!あっという間の京都遠征最終日もしっかり観劇して岡村美南さんのお芝居を堪能してきます!

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