2022年3月13日マチネ 劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』@京都




ロボット・イン・ザ・ガーデン
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ゆうき
ゆうき

8泊9日の京都遠征最終日!

日時:2022年3月13日マチネ公演
場所:京都劇場
座席:S席1階C列9番




はじめに

あっという間に8泊9日の京都遠征も最終日です!こんなに長期滞在したのは初めてでしたが、やっぱり劇場が近いといいですね…。平日でも気軽に行けるし、仕事もリモートだからホテルでできるし。毎回往復するのもばかばかしいくらいに快適でした。

この1週間は色んなことを再認識できてハッと気付けたことがあって自分なりに作品への理解を深められたと思っています。観れば観るほど作品の魅力にも気付けたし、ますます作品もカンパニーも大好きになれました。本当に楽しかったです。

そんなわけで長い旅の締めくくり。しっかりと観てきましたので、ぜひ最後までお付き合いくださいまし~!

総評

全体の感想です!

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

めっちゃ良い公演でした。日に日に客席の空席が目立つようになってきて、日曜日なのに1階後方席はほぼ人がいない状態という寂しい劇場ではありましたがそれでも凄く熱い公演でした。一方の私は連日の疲労ゆえか肩甲骨やら首やら肩やらが痛くて死にそうでした(笑)早く整体行きたい…。

でも本当にね、今回も色んなことを感じたし考えられたし凄く楽しかったんです。この9日間の観劇で自分が感じたことも再認識できたし、観るたびに気付くことがあったり感じることが変わったり、日々新鮮な気持ちで観劇できる演目だなって思いました。

「今」を必死に生きている人たちの物語なんですよね。なんとかしてもがきながら生き続けたいと思って必死に生きている。なんだか今回は、ボリンジャーに銃を向けるときのタングの「タングはタング!生きたい!」が凄く胸にずしりと来ました。それはやっぱり世界情勢が日々悪化していて、生きたくても生きられない人たちがいることを知っているからなのかもしれません。

正直私たちは平和ボケしてしまっていると思うんです。人間、いつかは必ず死ぬけどカトウの言うように「それは明日かもしれない」なんて本気で思っている人はきっと少ないと思うんですよ。私だって「今を大切に」なんて言っていますが、本気で明日死んじゃうかもしれない…なんて危機感はそんなに抱いていません。だけど今の世界は、そんなのんきなことを言っていられない状況にあります。この作品で出てくる言葉たちが、身をもって実感できてしまうような世の中になってきています。

だから、本来心を持つはずのないロボットであるタングが「生きたい」と強く叫んだことに私は凄く心を動かされました。ロボットに「生きる」なんて概念が存在するのかと言われたらその答えは分からないけど、心があるなら人間だろうとロボットだろうと生きることができるんだなって、そんなことを改めて感じさせられました。

カトウがタングに「偉かったね。あれだけたくさんの人に囲まれても誰も傷つけなかった」と褒めますが、タングには人を傷つけるという概念もなかったのかもしれませんね、このときは。ボリンジャーという脅威を目の前にして、生き続けるためには悪は抹消しないといけないという生き物としての本能が働いてしまいましたが、タングは本当に心優しいロボットだったんだなって思いました。

だからベンもタングがボリンジャーに銃を向けたときは本気で驚いたし、本気で叱ったんですよね。今回の山下さんベンの「ボリンジャーに銃を向けたとき、怖かったよ」の言い方も、いつもみたいなちょっと軽めの言い方ではなくて本気で怖がっているようなトーンだったのが印象的でした。

「生きたい」けど自分を殺そうとしている人を傷つけることは絶対に許さない。もしかしたらその脅威に殺されて「生きる」ことができなかったかもしれないのに、それでもベンはタングを叱りました。どんなことがあろうと、たとえ自分の命が脅かされようと、自分が誰かの命を奪ったり傷つけたりしてはいけない。それが生きるものとしての義務なんだということを改めて教えられたような気がします。

こういうメッセージって、多分平和ボケしているとまったく響いてこない言葉だと思うんですよ。それこそ2020年の初演時はこの言葉に実感をまったく抱いていませんでした。だけど今は違う。ベンやタングの言葉たちが今の世の中とリンクして、私たちに命の尊さを気付かせてくれます。人と人とが笑い合って、生きている光を灯せることがどんなに幸せで奇跡的なことなのか。

「地上の星雲」も、「みんなみんな、生きている光だ!」とベンが泣きながら言っていた姿がとても印象に残りました。ここはちょうどエイミーと別れた直後だから泣いていたっていうのもありますが、ぐずぐずに泣いた山下さんベンが眩しそうな表情をしながら言っていたのが本当にグッと来たんですよね。生命って凄くまばゆいんですよね、きっと。ベンとエイミーが出会って恋に落ちたように、人と人とが出会うことも尊いし、そこから生まれる繋がりはもっと尊い。だからこそ、人との出会いは大切にしなきゃいけないんだなって思いました。奪い合うんじゃなくて、支え合えるような、そんな世界でいてほしいです。

なんというか、今回は作品の本質の部分やメッセージ性の部分を意識しながら観られた気がします。凄いですね、タングから教わることがたくさんありましたわ。純真無垢だからこそ、本質をついてくるんですよね。そんなタングに、ベンもたくさんのことを教わって成長できたんでしょうね。いやー、本当に良い作品でした。

ここ最近はずっとベンとエイミーの関係性について細かく観ていたので、改めてベンとタングの関係性を観て行ったらとても尊くて泣けてしまいそうでした。

もちろんベンとエイミーのチェンバーズ夫妻も可愛かったですよ!土曜日もそうだったんですけど、仕事に出かけようとするエイミーに「いってらっしゃい」って言いながらキスをしようとする山下さんベンがちょっとかっこつけるように言うのがツボでした。直前まで散々エイミーに小言を言われていたのに、それを完全にスルーするようにかっこつけるベンがとても愛くるしかったです。

山下さんベン、なんだかんだ気弱だし子犬感あるしちょっと女々しいですけど、エイミーに愛情表現するときはちゃんと男らしくいくんだなぁ…ってニヤニヤしちゃいましたね。やるときはやる男なんですよね…。2幕ラストでも泣き出すエイミーをしっかり抱き締めてくれるし。こういうギャップがたまりませんね。ミナミーも多分山下さんベンのそういうギャップにキュンと来ていると思うので、なんだかんだお互いべた惚れなんだよなって思ったらにっこりしちゃいましたわ。

一方のミナミーは山下さんベンのことを世話焼きすぎるあまり、お母さんみたいになってきているのが笑いました。仕事で家を出ていくときにベンに「ベーン!ゴミも出しといてね」と声をかけるんですけど、今回はわざわざ立ち止まって声をかけていたんですよね。まるで「ちゃんとやってよね」と念押しをしているみたいでした。その様が、言うこと聞かない子供に注意するお母さんみたいだったので、そりゃベンもエイミーに甘えちゃうよ~って思いました。

そういう部分も含めて、子供みたいな山下さんベンとお母さんみたいなミナミーの夫婦としてのバランスは凄く良いですよね。まったく違和感がなくて、正直原作のチェンバーズ夫妻の印象とは結構異なりますけど、これもアリと思わせてくれる夫婦像でした。観れば観るほどお似合いすぎて、どんどん好きになっちゃいます。正直この2人がまた違うキャストと組んで夫婦になるのがまったく想像できないし観るのが怖いとすら感じてしまうくらいにお似合いでした。

とりあえず本編の全体的な感想はそんな感じかな。続いて細かい部分や日替わりネタなど書いていきます。

ブライオニー宅。今回ブライオニーとデイブがなんか言っていたんですけど聞き取れなかったな~。で、まちまりさんブライオニーがポラリスに詰め寄っているときに、ポラリスが「バスルームに」と言うと後ろのほうでミナミーがうんうん頷きながら「バスルーム…笑」って笑って、ポラリスが「バスルームをクローゼットとお思いでした」と言うのを聞いてまたうんうん頷くんですよね。これはいつもやっています。要は、ミナミーは昨晩ブライオニーが酔っ払って帰宅してバスルームをクローゼットと勘違いしている様子を目撃しているんですよね。だからポラリスの話を聞きながら、うんうんって笑っているわけですよ。

で、今回はブライオニーがやってきたらミナミーが昨晩の惨状を話してあげていました。具体的にどんな話をしていたのかまでは聞き取れませんでしたが、3本の指を立てながらなんか言っていたんですよね~。3分で寝ちゃったとかそんな感じのことかな?で、そんなミナミーの話を聞いて「思い出してきた…」とまちまりさんブライが頭を抱えていました(笑)

「Free Free」のお尻叩き合いでは、ミナミーにお尻叩かれたまちまりさんブライがお尻を突き出してグイグイとミナミーに迫っていました(笑)そんな品のないまちまりさんブライも可愛すぎです。

なんか、今回はエイミーとブライオニーの関係性もいいなぁ…って思いました。エイミーはベンのことを相談したり愚痴を言ったり、ブライオニーにどんなことでも話せる間柄になったんですよね。こうやって話せる相手がいることもエイミーにとっては救いだっただろうし、彼の姉だからこそベンのことも理解していてエイミーのことも応援してくれる。ブライオニーがいなかったらエイミーはもっと早くベンと別れていたんじゃないかなって思いますし、それくらいエイミーにとってもブライオニーはかけがえのない存在なんだろうなって思ったら、ブライオニーに対しても信頼しかありませんでした。まちまりさんブライがまた凄く頼れる姉御肌な女性なんで、余計に素敵なんですよね。ミナミーとも波長が合いそうです。

続いて、マイクロンシステムズのアンドロイドとポラリスたち。今回は塚田さんと帯津さんが横並びになって、塚田さんが帯津さんの身長と自分の身長とを比べていました。そこに古森さんもやってきて帯津さんと自分の身長をまた比べていたのですが、そこに背が高いやまはるさんもやってきて、塚田さんと古森さんがやまはるさんとも背比べ。帯津さんややまはるさんに比べて背がちっちゃいことを嘆いてか、2人してがっくりとうなだれていました(笑)しかも塚田さんと古森さんだいたい同じくらいの身長なのでそれがまた可愛くてキュンとなりました。

本編はひとまずそんな感じですかね。続いてカテコ!

今回もカテコめっちゃ長かったな~。拍手が鳴りやまないというか、なんとかして長引かせようとしている印象があったのでちょっとどうなのかな~って思っちゃいましたけど…。それもあってか、最後のカテコは岡村さん出てくるの遅くてビックリしましたよ(笑)もしかしてまたカテコに登場してこないんじゃないかって(笑)「また」ってなんやねん、と思う方もいるかもしれませんが、過去にも登場しなかった未遂があるんですよね。多分もうカテコ終わったやろって気を抜いたんですかね。ほんと、相変わらずで笑っちゃいました(笑)

さて、タング締め2回目ではタングが先に出てきたんですけどおいでおいで~って山下さんを呼んで、山下さんも出てきます。そしたら山下さんとタングが見つめ合ってじゃんけんを始めました!タングの手はあれグー、チョキ、パーのどれなんだ!?よくは分からないけど山下さんがグーを出して負けていたからパーなのかな???で、そしたら勢いよくあっちむいてホイをして見事に山下さんがタングの差した方向と同じほう向いちゃって負けちゃいました(笑)可愛い~!

その次の全員集合カテコではタングがしくしく泣いてたんだっけなぁ…。あまりにもカテコの回数多かったのでもうあやふやなんですが、確かまた岡村さんが真ん中に挟まれる形で山下さんとタングと手を繋ぎながら帰っていったんですよね。岡村さんが真ん中になるカテコも恒例になってきました。

で、次だったかな?全員集合カテコでタングが花カゴを持ち上げるから慌てて山下さんが取り上げて、岡村さんもタングがもういたずらしないように左手を取って、山下さんもタングの右手を取って、家族で仲良く帰っていきました(笑)もう山下さんと岡村さんがタングのパパとママみたいでめっちゃ可愛いんですよね…。ほんと、可愛すぎです。

そしてその次のタング締めでタングがさっき持ち上げた花カゴをまーた持ち上げちゃって、山下さんが慌てて元の場所に戻していました。花カゴが気になって仕方ないタングたんめっちゃ可愛かったです!キュンキュンしまくりでした…。

もうどのカテコだか忘れましたけど、唯くんとやまはるさんが手を繋ぐときに、なぜか唯くんがやまはるさんの人差し指だけを握っていたんですよね。なんじゃその繋ぎ方!?ってなったのですが、逆に意味深すぎて気になっちゃって…。その次登場したときは普通に手繋いでいましたけど、いったいどうしてそうなったのか分からなくて、マジで意味深すぎてキュンとなりました。唯くんとやまはるさん、本編でカトウとリジーは直接たくさん絡みがあるわけではありませんが、凄くお似合いなので今回のその謎の手繋ぎは不意打ちすぎてやられましたね…。カトリジ尊いです。

で、先述したけどラストのカテコでは岡村さんが登場してこない…!ほら、いつもサザエさんみたいに山下さんとタングを先導して登場してくるじゃないですか。でも出てこないんですよ…。そのときは咲に山下さんとタングが出てきて、その後ろを岡村さんが慌てて走ってついてきていました。まーた油断してたな(笑)もはやカテコの段取りを把握していない岡村美南さんはデフォなので、久々に出遅れた岡村さんを観られて逆に安心しました(笑)

とりあえずそんな感じです!今回も色々あったんだけどカテコが面白すぎて記憶がほぼ吹っ飛びました。とにかくわちゃわちゃカテコのおかげで最後は笑って終われるので幸福感しかないですね。きっと今週で抜けちゃう人たちもたくさんいるでしょうし、大盛り上がりで終わることができて良かったです。

本当に凄く素敵な公演でした。体の節々の痛みと闘いながらの観劇でしたけど、無事に見届けられて良かったです。日に日に団結力が高まっていくロボットカンパニーの勇姿を見届けられたこと、本当に幸せでした!

NEXT>>キャストの感想です!

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コメント

  1. yunky373 yunky373 より:

    マサト様
    web拍手でのコメントありがとうございます!
    日々お忙しい中での推し活、本当にお疲れ様です。
    そして熱量のあるCDの感想もありがとうございました!

    私も配信を聴いてみたのですが、普段じっくりと聴けない部分もしっかりと聴くことができて色んな発見がありました。
    やはりオリキャスで聴くナンバーの数々はストーリー性を感じて凄く素敵でしたね。
    「ふたりのことば」も「Gift」も、ベンとエイミーのそれぞれの想いや関係性が歌声から伝わってきてグッと込み上げるものがありました。
    タイトルナンバーはやはり初演verが好きですが、私も最近は観るうちに再演verを受け入れてきています。
    でも本当に初演verも配信に追加はしてほしいですね!

    個人的には致し方ないとしても間奏などの編集がちょっと…という感じです。
    尺は長くても良いのでフルで収録してほしかったな~と思います。
    でも音源が出てくれただけでも嬉しかったので、大満足です!

    これを聞いてまた劇場で生の歌声を堪能したいですね♪

    • マサト より:

      ユウキ様
      コメント返し、ありがとうございました。
      本日21日で山ベン&ミナミーさんが京都終了ですね。
      ユウキ様も含めて無事完走で何よりです。

      この作品はチェンバース夫婦の両方ペアが素晴らしいので
      舞台で「gift」を4人で歌ってくれても全然OKな私が居ます(笑)

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