2021年7月3日マチネ 劇団四季『アナと雪の女王』




アナと雪の女王
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キャストの感想

キャストの感想です!

エルサ:岡本瑞恵

相変わらずバケモノ級の歌唱力でした。毎回言っていますが、岡本さんマジで歌上手くなったなぁ…。昔はちょっとヒヤヒヤしながら観ることも多々ありましたけど、今は岡本さんが歌い出すだけで安心して観ていられるくらい安定感抜群ですね。努力の結晶だと思います。

1幕に関しては申し分なくて、「Dangerous to Dream」も「Let It Go」も最高でした。特に「Dangerous to Dream」は観れば観るほど好き度が高まっていきます。囁きかけるような優しい歌声で、どこか切なさや寂しさを滲ませてもいて、それがまたキュンと来るんです。女王としてしっかりしなきゃいけないという責任感を抱く一方で、姉として大切な妹と一緒にいたい、私のことを知ってほしいと願ってしまう密かな夢も抱いていて、その狭間で揺らいでいる感じがすっごく感じられる歌い方でした。

今回は表情を堪能できる席だから岡本さんエルサの表情をよく観ていたのですが、アナを見つめるときは穏やかな笑顔を見せていて本来の姉としての優しいエルサが垣間見えました。ちょっと眉毛下げながら歌っている感じとかはめっちゃエルサ。だけど、ふと我に返って「2人は違うの…」と歌うときに顔が強張るのが凄く細かくて、とても切なかったです。岡本さん、表情の変化がとても細かくてエルサの心情をこれでもかと思うくらい丁寧に演じていました

まああとは岡本さんの元来の性格でしょうけど、めっちゃ真面目なのがお芝居に出ますね(笑)エルサのおしとやかな部分は岡本さんが演じるとおしとやかっていうよりひたすら真面目っていう印象でした。口元に手を当てて笑う上品な感じとかも、上品っていうより真面目さが先行する感じ?まあそれもエルサが色々と深く考えすぎてしまう性格と共通していますし、そんなところも含めて岡本さんのエルサ像なんだなぁ…と愛しくなりました。

隣に根明のぺーちゃんアナが並ぶとより根暗っぽさが出るというか…陽と陰のまさに陰だなと思わせる雰囲気なのもめっちゃエルサなんですよね。映画版のエルサとは少し違う部分もあるけど、でも観たら間違いなくエルサだと思わせてくれる説得力が凄くあります。観れば観るほどそれを強く感じています。

だからこそ、「Let It Go」でレリゴーする岡本さんエルサの弾けっぷりと開放感、疾走感、そして迫力がえげつない!今回も抜群の歌唱力でしたし、一切声がブレないのが凄すぎました。表情がイキイキし出すので、エルサが今喜びを感じているんだなぁ…っていうのが伝わってきました。それもあってか、一度舞台後方に向かって歩いていくときにまるでガッツポーズを控えめにやるかのように歩きながら拳を強く握り締めていたのが印象的でした。

ちなみに今回、衣装早替えの直前に歌いながらドレスをいじって位置を微調整されていたので、それを観て「あ、そゆことだったのか…」と察してしまう場面も…(笑)でも無事に今回も早替えは成功したので良かったです。

とにかく圧巻の1幕だった一方で、2幕は若干高音苦しそうだなぁ…と感じる瞬間も多々ありました。裏返ることはなかったんだけど、余裕そうなスコーンとした伸びがなく、力みながら歌っていたのでかなりきつかったんじゃないかな。エルサはパワフルなナンバーが多いですから、喉も相当強くないと長期連投は難しそうだなぁ…と感じました。「Monster」とか「Colder by the Minute」とかは若干声掠れたりもしたので、少し心配です。

でも、2幕で特に良かったのは「I Can’t Lose You」。これは1幕の「Dangerous to Dream」に似て、エルサがアナを大切に愛しく想う気持ちが歌われるナンバーです。岡本さんエルサはアナに向ける表情が本当に秀逸で、凄く優しくて切ないお姉ちゃんの顔するんですよね。その中で、アナの想いを聞きながら表情を歪めて泣くのを必死に堪えていた姿がとても印象的でした。

岡本さんって凄く涙脆い方なのでこれまでも涙ぐんでいる姿はよく見かけていたんですけど、ここでも口元震わせて眉毛を下げて泣きそうになっていて、やっぱり岡本さんだなぁ…と思いました。アナのことを守りたいから離れるしかないけど、アナはエルサのそばにいたいと思っていて、どうしても嚙み合わない想いに胸を痛めているのがダイレクトに伝わってくるんです。岡本さんの感情がそのままエルサの心情とシンクロしていて、かなりグッと来るシーンでした。

あとはハンスに「お前の妹は死んだ」と言われて膝から崩れ落ちるシーンでも口元を震わせて涙ぐまれていて、どこまでもエルサの感情が乗り移ったみたいに演じられているのが凄く印象深くて、ずっと目が離せなかったです。泣くことが素晴らしいってわけじゃないんですけど、岡本さんのエルサを観ているといかにエルサがアナを想っているのか凄く伝わってくるから、めっちゃ惹きつけられるんですよね。だからこそフィナーレでアナに向けて歌う「魔法はあなたよ~」の1フレーズも、とにかくアナへの愛情で溢れています。めっちゃ好きなポイントです、ここ。

今回は表情がしっかり見える席ということもあってガッツリ表情を観察してしまったのですが、やっぱり岡本瑞恵さんのエルサは最高でした。観れば観るほど好きになっちゃいます。歌に関しては少し心配になっちゃう場面もありましたけど、それでも相変わらず劇場をどよめかせるようなレリゴーも披露されていましたし、劇場にいた誰もが岡本さんのエルサに魅せられたと思います。私ももちろんその1人なので、岡本さんのエルサをたっぷり堪能できて幸せでした!

ちなみにカテコでみんなを呼び込むときに上手からやってきたオラフがパクパクと口を動かしていて、真似するように岡本さんも口パクパクしていたのが可愛すぎました(笑)

アナ:三平果歩

我らの三平果歩ちゃんアナ!ぺーちゃんアナがいるうちに前方で観ることができて良かったです…。やっぱりぺーちゃんには色々と思い入れもあるので、改めて元気そうなぺーちゃんを観られて幸せでした。

ただ、先述したように1幕冒頭は絶不調だったのか思うように歌い切れていなかったのがとても心配でした。「For the First Time in Forever」は喉をケアするようにほとんど裏声使いながら歌っていて、これはヤバいのか…とヒヤヒヤしてしまいました。ぺーちゃんは裏声も綺麗に出るから全然違和感はなかったんですけど、初日や週頭のような元気ハツラツ感はなかったのでちょっと心配。

ですが、次のハンスと歌う「Love Is an Open Door」では普通に声出るようになっていたし、以降もいつも通りのぺーちゃんに戻っていたので良かったです。ぺーちゃんは岡本さんのようにパワフルにスコーンと伸びるっていうよりはだんだんクレッシェンドしていく感じの伸びなんですけど、特に「What Do You Know About Love?」のサビの高音はいつも聴いていて気持ち良さがあって好きです。明るさと活発さが感じられる歌声なので、アナにピッタリだなと改めて思いました。

それこそ「Hygge」では竹内くんオーケンがロングトーンで歌っている後ろで、男性サンボに持ち上げられているぺーちゃんアナが「ふぅ!」って声あげていたのが可愛すぎてキュンとなりました。この子は本当に何やっても可愛いのがずるいです。周りを笑顔にする力を持っていますよね。

今回はちょっと心配になる部分もありましたけど、相変わらず可愛いぺーちゃんアナをたっぷり堪能することができて嬉しかったです。カテコでは子役ちゃんにニコニコの笑顔を向けてしっかりお姉さんしていて、それも新鮮でキュンとなりました。ぺーちゃん本当に可愛すぎる。

個人的には「Fixer Upper」のぺーちゃんアナが正直一番好きなので、ガッツリ観られて幸せでした。ニッコニコで楽しそうに歌って踊っているのがめちゃくちゃ可愛すぎて、ガチ恋ですわ…。ダンスも意外と激しめだし、ガッツリ踊りながらクシャッとした笑顔を見せているのがもうブロードウェイのPattiアナを彷彿とさせてグッときました。何度観てもここのぺーちゃんアナは可愛すぎるので、マジで注目してほしいです。

オーケン:竹内一樹

今回も竹内くんオーケンが面白すぎてめっちゃ笑いました(笑)やっぱり2幕冒頭の客席いじりは日替わりっぽいので、これもしかしたらパターン化とかじゃなくて本当に毎回違うかもしれないです。

ちなみに今回は客席に向かって「こんにちは~」と声をかけたのですが客席はちょっと様子見で無反応。それでも構わず続ける竹内くんオーケンは「今日はお天気さんも駄々こねてますねぇ…。皆さん、お元気ですかぁ?もしお元気だったら拍手お願いしまーす」と客席に拍手を求めました。すると客席からは大きな拍手が起こって、それを聞いた竹内くんオーケンが「わぁ、図々しいくらい元気」とニッコリ笑って客席の爆笑をかっさらっていきました(笑)

今回は悪天候で影響出た人もたくさんいますし、その辺と絡めて客席いじりをしてたのがさすがでした。そして不思議なものを見るかのような目でこちらを見てくるのが本当に面白すぎて、じわじわ来るんですよ…。目をぱっちり開けてあわあわして、可愛さを通り越してもはや気持ち悪さすら感じる佇まいでした。あえてこれを狙ってお芝居しているんだろうし、竹内くんのお芝居の幅が凄すぎて本当にヤバいです。

そしてさらにじわじわ来たのがカーテンコールでした。ちょっと女々しく両手を重ねて胸の前で動かしながら歩いてくるんですけど、なんか口をモグモグと動かしているんですよ。え、なんか食べてるの!?って思うくらいずっとモグモグしていて、本当に気持ち悪すぎて笑いました(笑)オーケンってこんなキャラだったっけってくらい竹内くんワールド全開で最高でした(笑)

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